わがふるさとの繁華街は、ますます寂れていっている。
昨年夏にデパートもなくなり、なんとアーケードも
撤去されるという報せにますます残念な気持ち・・・。
郊外には巨大駐車場併設のSCがいくつもあって、活況を
呈しているのに・・・。
自分が昭和に育ったせいもあるかもしれないが、
百貨店はそれなりに、好きである。
国内外、どこに行ってもまずデパート巡りはしてきた。
テナントが多く入っているSCとは違い、コンセプトを
企画性を、ブランドを、ストーリーを感じることができ
「百貨」の楽しみを享受した。
買い物だけでなく、ミュージアム感覚で歩くのも楽しい・・と
そんな経験も長年してきたせいか、デパート巡りは今でも
楽しいし、マーケティング面でも情報の仕入れもできて、
一石二鳥とその点でも気に入っている。
一方、昨今のネット社会の影響は大きいが・・・。
大手のデパートは小売業以外での生き残りをかけて多角化
経営に精力的であるが、地方のデパートは人口減少のマー
ケットのなかで、とにかく地道にがんばっている。
そこには、昭和の対面販売の良さがまだ残っている。
客層は高齢者比率が多いが、若い時からデパートへ行く
ことが非日常で、楽しみにされてきた人たちだ。
元気であれば、ちょっとおしゃれをして買い物に行こう!
という感覚だろう。
そんなお年寄りを今週も地方のデパートで何組も見かけた。
懐しいような、寂しいような、なんともいえない空気と
あたたかみを感じる地方のデパート。
そこはデパートだから、著名ブランドの化粧品売り場も
存在する。世界の売り場で新発売となっている商品
がここでも入手できる。
東京、大阪、京都、名古屋であれば、混雑しており、
待たされる。
でも、地方のデパートなら待たずに、しかも丁寧な接客
を受けられる。
「これはいい!」
「こんなにゆったりさせてもらえるなら、今度から
ここに来るわ。気に入った!」
と、意外な一面を知って、その店のファンになった。
これから地方に出かけたら、その町ならではのお店を
探検し、利用し、応援したい。
なくなっては困るから。
すでにふるさとの商店街は自分にはどうすることも
できないが、まだ存在しているお店ならば、応援
もできる。
名古屋駅にあるデパートも来春で閉店が決まり、
「最後の◌◌展」が催事のキャッチ。
最後の・・と書かれるのは、超限定感があるが、
寂しい。
改めて、悲喜こもごもの年末。
地方を大切にしたい。
ふれあいを大切にしたい。
あの頃のわくわく感を忘れずに・・・。
と、改めて。



